歯科技工士にとって石膏模型は命である。
患者さんの口腔内の形を印象して石膏で形を再現する。
その上に補綴物(義歯など)を作るのが歯科技工士の業である。
その石膏模型は正確な印象が取れて、正確な石膏を注入されて初めて正確な補綴物ができる。

あたりまえの話ではあるが、模型にぴったりの補綴物を求められる。が・・・・模型にぴったりの補綴物が、患者さんの口腔内に入らないことはよくある話である。
なぜ?・・・・正確な印象?石膏の流し方?石膏の種類?・・・歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士・・・追求すれば誰にでも責任はあるが、多くが歯科技工士に影響が出るのはそこに費やす時間と労力が負担となり、代償が大きい。

先日、「解剖学を知ることで模型を読める」講演会を聴きに行った。
多くの若い歯科技工士が熱心に講習していた。
歯科技工士にとって「患者さんへの思いやり」に繋がる知識であり「生体への意識を深める」ことが重要であると思う。
石膏模型は石膏であり生体とは違う。石膏模型の裏側には血も神経も流れているし、骨があり筋肉がある。柔らかいところ硬いところがありその上で機能するものを作るためには、解剖学は歯科技工士にとって基本知識であり、知らないといつまでたっても模型にぴったりだから、患者さんにぴったりなのだという錯覚に陥る。必要に応じて「避ける」「交わす」「伸ばす」「加える」・・・ができて初めて模型にぴったりの意味が完成されるのだと思う。
もう一つ加えると、模型から伝わらない「痛み」「辛さ」「苦しみ」「期待」「希望」・・・・などがあることを知らなければならない。

 

 

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